チームワーク

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旭川でのTTを皮切りに9日から5日間に渡って開催されていたツールド北海道も、昨日で全ステージの日程を終えいつものようにモエレ沼のクリテリウムを最後に無事閉幕しました。

ツールド北海道では数年前から市民レースのほうにもステージ形式が採用されて、総合成績でも表彰がなされています。道外からも多くの参加者がエントリーされるようになり、とりわけ、道車連のクラス分けでいうエリートとS2のクラスのほうは年々参加者も増え活況を呈しており良いことです。

レースが発展していくことは喜ばしいこと。私も一選手として大歓迎ですが、しかし、参加人数の関係からか、今大会でレースに制約が設けられたことには異を唱えたい。

今日はちょっと辛口発言を交えて綴ります。出だしから書こうと思っていたことからどんどんずれていますがご容赦を。我々のチームが目指しているレース展開に逆行するような大会運営に少し疑問が生じているから。

MLを通してチーム員から聞いた情報によりますと、12日の市民ロード50kコースは全クラス一斉スタートだったようです。手元にある募集要項にはこうあります。「スピード・経験・能力に差のある方々が混在して走行する事による危険性を避けるため、クラス分けを実施します(一部省略)」。

100kコースは道路を管理する関係当局からの指導で、スタート地点が変更となり距離が短縮され77kになりました。一斉スタートとなった原因も当局が関係しているのかもしれません。昨年も公園のスタート出口が現場に来られた警察官の要請で移動することになり、主催側が提唱した場所からコミッセールとして参加した私の判断で最終スタート地点を変更しレースが始まりましたが、それでも途中で後続のクラスが前のクラスに合流することになりそれが大落車を起こす引き金となっていました。

昔、本州でホビーレースを走っていた頃に、店長も300名一斉スタートというレースを経験しています。順位は100番くらい。幅員の狭い公道ではスタート位置が悪いと足があっても前でどんどん先に行ってしまうからとても追いつけません。レースになりませんでした。一昨年の大滝スタートの時もそうです。こちらは先頭グループに追いつくのに3kmくらい掛かりました。

一斉スタートの弊害はまだありますね。ツール市民レースは普段レース活動されていない方も大勢参加されるから、クラスによってはとても神経を使います。前走者との距離感に慣れていないから掛けなくともよいところでブレーキを掛けたり、急に走行ラインを変えたりそれがどれだけ危険な行為かをわかっていないからそういう走りをするのでしょうが、とにかく、レースを知らなかったらそれを回避する走り方が求められるわけで、スピードを上げて縦に伸ばせばいくらか安心できるもののそういう積極性はまず見られないですね。
昔、ツール市民ロードで60kに距離が伸びた時に、はじめてS4クラスの市民レースに出てその走り方にビックリしました。危険回避で縦に伸ばすよう先頭に出てペースを上げたら、某チームの若い子から「最初からそんなにペースを上げなくてもいいじゃないですか」と文句言われたのにもまたビックリ。(知らなくてごめんなさいとあとからメールが来ていたけど・・)

ゴール勝負で位置取りが大事なレースでもクラスが混戦となっている場合は支障が出ます。これも先ほどのレースで経験しました。途中、集団から切れた前のクラスの選手が我々先頭グループに合流してしまい、切れた選手同士でスプリントしようとしているのか、直角カーブ後に500mでゴールでしたがその大事なラインを奪われてアウト側で大きく回ってからスプリントするはめになりその時は一人に先行されてしまいました。

このようにイレギュラーなレース形式はいろいろな問題が生じてきます。今後のこともありますから、今回の一斉スタートとなった原因をあとから確認しておこうと思います。危ないし、レース展開にも少なからず影響が出てくるから。


ともあれ、一斉スタートだったにも関わらず今回は工藤君がクラス優勝。ほんとにおめでとう。ラスト1kmからの捨て身のアタックが功を奏して栄冠を勝ち取った工藤君。しかし、彼一人が得た勝利ではなくそこにはチーム員のアシストもあったのです。工藤君がゴールテープを切ったあとに、右後方で静かにゴールしたチーム員達。工藤君がアタックした時に一緒にいきたい気持ちを抑えてまさに抑え役にまわったのです。レースを知らない人にはわからなかったでしょう。彼らも同調したら集団が活性化してしまい、ゴールにも響いていたかもしれません。

我々の目標は、「勝つべき人が勝つ」レース運び。仕事ではないからプロのようにエースとかアシストとかを事前に決めているわけではありません。いい位置に居るチーム員をアシストする。それが自然にできるならチャンスがあれば誰もがエース。アシストに回ったら全力でサポート。それがチーム活動している全チームで自然に行えるなら、今よりももっとレースが面白くなるはず。チーム名を書いてエントリーをしてもいつも集団が崩れない(崩そうとしない、アタックしない、先頭を引かないなどなど)団子レースではつまらないと思うのですが、そうは感じませんか?

レース中は大集団の中でじっと足を溜め、ゴールになったら最後だけ出てくるようなそんな走りは、例え着に絡めたとしても果たしてそれはその入賞の価値に値するような内容なのでしょうか。
表彰台の常連になってくると顔も知られるようになり同時にその人の走り方もよくわかるようになりますよね。自分にも他人にも誇れる走りがきっとその選手の力を増大させます。シマノに行った阿部君に続く選手がもっと北海道からどんどん出てくることを願ってやみません。今は少し停滞気味のように感じます。まずは市民レースの活性化。あとに続く少年達が観て感動するレースが増えていけばいいですね。


[追記]
いやあ、驚いた。帰宅後に確認した今日のMLで、昨日のクリテリウムも土曜のロードと同じ一斉スタートだったとのこと。一周2.7kmの、しかもあんな狭いコースで一斉スタートとは、、一体どうなってるんだろう?

しかも一度並んだ選手をゼッケン順に並べ替えさせたらしい。あるチーム員は前に100人ほどいる状況でやる気が消失・・。当然でしょう。前に100人も居たら、彼がスタートラインを過ぎる頃には先頭は最初のカーブを曲がってもう見えなくなっていたかもしれない。

もしかしたら役員が不足しているのだろうか。去年も役員が足りなく審判車に乗る私がスターターを兼務していたくらいだから。
しかし、こういう開催方法が今後も続くようなら、やる気のある選手は参加する気力が失せていってしまうかもしれませんね。他のレースに比べて落車も多いし、店長は怪我はもうしたくないから個人的には参加優先度は低いです。