再びエンドハンガー

 再びエンドハンガー
胸の痛い話です。今年2回目となったエンドハンガーの交換。原因は車との事故で、なんとその車は現場から逃げたとのこと。信じられない。第一当事者となったそのドライバーは逃げることができてよかったと思っているかもしれないが、責任意識の無い生活はきっとどこかで大きなツケがまわってくるでしょう。

今回も最初はシフト調整の修理依頼で作業をはじめたわけですが、調整しても直らず聞いてみると事故にあったとのことでリアディレイラーに擦りキズが付いていました。あ、これはエンドが曲がったなとお客様にご説明して交換となった次第です。治具代わりのホイールをセットし専用工具で確認してみると上下で1cmくらい違ってました。これだけゆがんだら調整で直る範囲を超えているのでもう正常なギアチェンジは無理ですね。

さっそく代理店に在庫確認して新しいのを取り寄せました。09モデルだから欠品の心配もなく無事に修理も完了。付いているのを外すときにちょっと問題が発生したけど、それも解消できてひと安心。おそらくメーカーでフレームにハンガーを組み付けた時だと思いますが(角の減ったレンチを使ってるのかも)、レンチとボルトの頭の嵌合が少し甘かったので、頭をなめってしまったら交換は不可能だからねじの隙間に浸透性のよい潤滑剤を使ってしばらく置いて慎重に作業したら無事にボルトは外れました。

ちなみに、こういう時は少し裏技があって、それを使ってこのまま作業できると確信したのでそのまま続行しましたが、最初のひと回しで加減せず一気に力を加えていたらおそらくなめてしまったと思います。裏技がだめだったらエポキシ樹脂の接着剤でレンチを固めてから作業しようと思いましたが回避できてよかった。一晩置かないといけないから。

このように、ロードの場合はネジ1本だけで大きな問題となるケースもいろいろありますが、例えば、シートピンなんかの場合もそう。クロモリなどフレームに直接ねじ込んでいるシートピンは特に気をつけないといけないですね。最初のうちは大丈夫でもサドルの調整などで何回も締めたり緩めたりを繰り返しているとレンチとボルトの嵌合が甘くなってきたりします。クランプ式ではなくシートピン方式の場合は定期的に変えたほうがよいですね(ということは、クロモリバイク?)。今は置いているところも少ないかもしれませんが・・。

このハンガーは裏側を撮った写真ですが、内側部分に擦り傷が付いているということは事故のときにチェーンが外れてしまったんでしょうか。普通はエンドが曲がるとロー側にチェンジした時にローギアとスポークの間に落ちてしまうんですが、トップ側には落ちません。よっぽどの衝撃だったんでしょうね。黒いから目立ちます。
事故でなくとも何度か落車したことがあって何度調整しても変速がいまいちだなあという方は、エンドハンガーの曲がりを疑ったほうがよいかもしれませんね。